障害児入所施設の在り方に関する検討会の最終報告書
先週2/10付で厚労省より公開されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/000593534.pdf
まだ全ては読めていないのですが、
遺伝カウンセラーは知っておきたい内容です。
遺伝カウンセリングの中で、
「障害のある子を育てられるだろうか?」
と親御さんに問われることは多々あります。
出生前検査を希望するご夫婦から。
胎児の疾患が疑われ、妊娠を継続するか迷うご夫婦から。
赤ちゃんに先天性の疾患があると生後すぐに知らされたご夫婦から。
ご自身に遺伝性の疾患があり、子どもに遺伝する可能性のあるご夫婦から。
子どもに遺伝性の疾患があり、次の子も同じ疾患を持つ可能性のあるご夫婦から。
「もし子どもに障害があったらどういう生活になるのでしょうか?」
この質問への答え方によっては、
目の前の家族の未来が大きく変わる可能性があります。
それゆえ、遺伝カウンセラーは障害のある子どもの「病院の外の生活」について情報を集めておく必要があります。
もちろん医療ソーシャルワーカーの方が詳細な説明をしてもらえますが、
いきなり「詳しい説明を聞きたい」というご夫婦はそう多くありません。
そのため遺伝カウンセリングでは概要だけでもお話しできるようにしておく方が望ましいでしょう。
今回の資料は、障害児入所施設に関する報告書です。
様々な理由で家族と暮らすことができない障害のあるお子さんの暮らしについて、
病院の中にいると知る機会はほとんどありません。
でも、遺伝カウンセラーとして働く中で何度か気になった時もありました。
・NICUで染色体疾患と診断された赤ちゃん。ご両親は「自分たちには育てられない」と引き取りを拒否。乳児院へ行くことになったその子はその後どのような生活を送るのだろうか?
・医療的ケアが必要な難病のお子さん。ご両親が「人工呼吸器の管理のせいで家族の生活が回らない」と外来で訴えておられ、その子は一時的に施設に預かってもらうことに。その子と家族はその後一緒に生活できるようになったのだろうか?
そんな疑問を振り返るきっかけになった資料でした。
また、この資料は「障害のある子と社会のあり方」を考える材料となると思います。
資料の末尾にあるように、この資料をもとに障害のある子の教育や福祉がより良いものに変わっていくでしょう。
多様な人が生きやすい社会を作る。
これは遺伝カウンセラーの最大の目標です。
引き続き情報を集めていきます。
今日も読んでいただきありがとうございました。
井令 咲絵(いれさき)